友人のお父さん(70代)が入院して、
ショックを受けている。
元気だったお父さんが、急に認知症になった!
そら、びっくりするよね。
でもそれは、認知症じゃなくて、
お年寄り(とは限らないけど)が入院したときによくある『せん妄(せんもう)』を発症したんだよ!
ググってみたら
せん妄は、錯覚・幻覚(幻視)などの異常体験、精神運動興奮・不安などが加わった特殊な意識障害である。せん妄の有病率は、入院患者の10~30%、高齢者では10~40%に起こる。
だって。
すごい確率高い。
けどその割に知られてないから、
直面する家族は戸惑うよ。
私の両親はもう亡くなったけど、
ふたりとも入院時に『せん妄』を起こした。
母は65歳の時、くも膜下出血を起こし、
そこから長い入退院の繰り返しと介護の日々が始まった。
その何度目かの入院時に、別人みたいになったことがある。
私のことは従妹の名前で呼び、
自分の生年月日はでたらめ、年齢は38歳とかいうし、
急にベッドの上に立ち上がったり、
点滴をすぐに引き抜いたり、
日ごろぜったい言わないような言葉を使ったり。
その変な状態は数日続いたのだけど、
家族はそれが一時的なせん妄とは知らないものだから、
壊れてしまった母を見ながら絶望しかなくて、
毎日うちひしがれていた。(脳の病気のせいでそうなったと思った)
入院時はいつも大学ノートに付き添った人がその日のことを書き込むことにしてたので、
そのせん妄時の認知症状態のあれこれや言動を書きとめておいた。
退院後にそのノートを読んだ母(正常にもどってる)は、大層驚いていた。
まったく記憶にないし、あまりに恥ずかしかったようだ。
父は70代後半のとき、肺がんの疑いで入院時にせん妄を起こした。
父の場合は一見普通にみえるのに、
夜に幻覚?妄想?みたいなのを見るのか、
『昨日は夜に看護師さんたちみんなと中華料理を食べにいった』
『Sさんがお見舞いに来てくれた』(その人もう10年以上前に亡くなってる)
『病院のレジで、店(自営業のこと)の売り上げを出してきてくれ。つながっとるけん出せる』(んなばかな)
みたいな事を,毎日マジメな顔で私に話すのは、こわかった。
せん妄だとわかっていても。
そして、絶対安静なのに、毎晩病院を徘徊して、看護師さんに迷惑をかけた。
(途中から足元にセンサーマットを置かれた。)
朝病院に行くと、看護師さん(はずれ)によっては、
前夜の父の奇行をうんざりしたように報告されて、
こっちは「すいません、すいません」と謝るしかなかった。
いい看護士さん(あたり)は、
「よくあることなんですよ~」と笑顔で話されて大いに救われた。
(ほんと、看護師さんによって天国にも地獄にもなる入院生活)
ふたりとも、数日で症状は消えたけど、
もしかしてずっと消えないこともあるんだろうか。
せん妄をきっかけにそのまま壊れてしまう可能性もあるのか・・
高齢者の場合は、もともとその素養があるから、
せん妄と認知症の境界線がわかりにくいかもしれんと思う。
とりあえず、
友人には
「それはせん妄だから一時的なモノで、すぐに治るよ」
と言って明るい希望を与えて喜ばれたが、
本当に認知症だったらどうしよう。
最後まで読んでくださってありがとうございました!
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